【背景・目的】多イオンチャネル遮断薬であるazithromycin、fluvoxamineおよびoseltamivirはQT間隔をイヌでは延長したが、microminipigでは短縮した。これはmicrominipigはイヌに比べ、外向き電流(IKr)よりも内向き電流(ICa, INa)に対する遮断への感受性が高いことで説明されている。BepridilのICa, IKs, IKrおよびINaに対するIC50はそれぞれ0.5<6.2<13.2<30 μMであり、IKrよりもIKsに対する阻害作用が約2倍強い。Microminipigに対するbepridilの電気薬理学的作用を評価し、IKs遮断に対する感受性を検討した。
【方 法】体重約10 kgのmicrominipigをketamine(16 mg/kg)/xylazine(1.6 mg/kg)の筋注およびpropofol(1 mg/kg)の静注で全身麻酔を導入後、気管内挿管し、人工呼吸器を用いて、100%酸素通気下に1%halothaneで麻酔を維持した。0.3および3 mg/kgのbepridilを10分間かけて累積的に静脈内投与し、体血圧、左室圧および体表面心電図を測定した(n=4)。
【結 果】低用量は各心血管指標に有意な変化を示さなかった。高用量は心拍数を5分で増加、15-60分で減少させた。左室圧最大上昇速度を10分で増加、平均血圧および左室拡張末期圧を5-10分で減少させた。また、QRS幅およびQT間隔を10-60分で、QTcFおよびJ-Tpeakcを5-60分で延長させ、Tpeak-Tendを10分で短縮し、20-30分で延長した。PR間隔に有意な変化を認めなかった。再分極の各指標の薬物投与前値からQT間隔が最も延長した高用量投与後20分までの変化は、QT間隔 +196±38 ms、J-Tpeakc +91±15 msおよびTpeak-Tend +23±5 msであった。
【結 論】MicrominipigはIKs遮断に高い感受性を有することが判明した。

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