化合物の最適化は、化合物の設計(Design)から始まり、実際に合成(Make)し、評価(Test)して、その結果を解析(Analyze)するサイクルを回して、スクリーニング等で見出した化合物の特性を医薬品候補として最適なものにしていくプロセスである。通常、最適化研究は多くのコストを要するプロセスであるため、このDesign-Make-Test-Analyze サイクルの質と速度の向上は、創薬研究の生産性向上にとって重要である。
我々は、このサイクルにAIと自動化機器を導入し、これらを統合的に運用することで、その高質化と高速化に取り組んでいる。すなわち、AI を用いて設計した化合物を自動化機器で迅速に合成・評価し、そこから得られたデータをAI に再学習させ、予測の質を上げ、次の化合物設計に活かす、といったサイクルを繰り返すシステムを構築している。さらに、ユーザーフレンドリーなインターフェイスを提供し、AI や自動化機器を研究者が使いこなせる環境も整えている。
本シンポジウムでは、これらの具体的な活用事例を紹介する。