血管新生は既存の血管から新生血管が形成する一連の生体反応である。生理活性物質であるプロスタノイドは悪性腫瘍の進展、虚血性心疾患をはじめ様々な病態形成に係る。プロスタノイドはプロスタグランジン(PG)とトロンボキサン(TX)からなり、各々の特異的受容体に結合し作用を惹起する。我々はプロスタノイド受容体欠損マウスを用いて悪性腫瘍の増殖・浸潤・転移、創傷治癒及び虚血改善効果に対するプロスタノイドの役割を明らかに報告してきた。今回の講演で現在進行中の知見を含めた虚血改善効果におけるプロスタノイドの役割について説明したい。