Ca2+チャネルは足場タンパク質を介して下流のCa2+感受性分子とCa2+マイクロドメインを形成することで、刺激特異的な生体応答を引き起こす。我々は血管平滑筋細胞において、足場タンパク質(caveolin-1とjunctophilin-2)が、細胞膜-筋小胞体間にCa2+マイクロドメインを形成し、Ca2+シグナルを過分極へ変換することで血管張力を精密に制御する機構を明らかにした。また、caveolin-1を足場としたCav1.2‐CaMKK2‐CaMK1α分子複合体が、Ca2+シグナルを遺伝子転写へ変換することで、血管リモデリングの発症に関与することを見出した。さらに、mitofusin-2が筋小胞体とミトコンドリアを近接させ、細胞増殖を促進することも発見した。以上より、Ca2+マイクロドメインが正常な血管機能と血管リモデリング形成の両方で重要な役割を担うことが示唆された。本成果は、血管リモデリングに関する薬理学的研究に対して新たな知見を提供し、Ca2+マイクロドメイン構成分子を標的とした新たな血管リモデリング治療薬の開発に寄与すると考えられる。